湯豆腐を作りたいへ

押さえておきたいのは、豆腐は味が淡白な食品であるということだ。わかるでしょう? じゃどうすればいいか。豆腐が浸された水分が、美味しいかマズいかにわかれる湯豆腐になるということだ。湯豆腐の決め手は豆腐にあるのではなく、その汁にあるということだ。具体的には、ダシ。これに尽きる。先に豆腐から作る手間暇を揶揄したような書き方をしたが、ちゃんと理由がある。湯豆腐の場合、豆腐はてきとーでいいんです。むしろへんに凝ったものだと神聖なダシ汁が後ろに下がってしまい、湯豆腐としては残念なものが出来上がってしまうのである。安っぽい豆腐でけっこー。意外に知られていない事実だが、じつは、湯豆腐とは、豆腐を味わう料理ではなく、そのダシ汁を、うまい、うまいと言って、ふうふうしながら食べる料理のことなのである。
昆布のダシ汁の味+1 !

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湯豆腐はどこから作る?
さて、湯豆腐の作り方と言って、どこから作るのか。いわゆる、湯豆腐の作り方なのか、豆腐から作るのか。凝り具合によっては話がまったく異なってくる。もし豆腐から作るのであれば、ご想像どおり、時間も労力もかかる。覚悟せねばならぬ。大豆は栄養たっぷりで、人間でいえば、善人の部類に入るが、善人だからといって、扱いがラクだとは言い切れぬ。「この人、良い人だけど、気難しいのよね〜」なんてことは、よくある話だ。善人
豆腐から作りたい人へ
豆腐から作りたいという凝り性の人はまず、大豆を水につけて1日放っておかねばならぬ。ふつうは乾燥した大豆を使うだろうから、この気長な手順を踏まねばならない。まちがっても仕事から帰宅し家族は腹ぺこ、というお母さんには向かない料理である。お母さん「さあ急いで豆腐を作るわよ」家族「うそ!」顔面蒼白。大豆が水を吸ってふっくらとしたら、ミキサーにかけてとろりとさせる。焦がさないようにことこと煮る。さらしやガー
湯豆腐を作りたいへ
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ダシ汁の極意
はい、ここでこそ、手間暇かけるべき。まず土鍋とは名ばかりの、うすっぺらい土鍋じゃだめよ。ザ・土鍋を用意せよ。なんとかいう匠の先生の作った土鍋ならなおよし。火のまわりかた、伝わり方が、ぜんぜん違う。デコピンするみたいにして土鍋にデコピンすると、音が違う。これだこれ。ダシ汁と豆腐を抱いて、ゆったり遊ばせてる感じ。この余裕は見ものである。春菊や三つ葉、ゆずなどを仲間に入れてやってもいい。大人の食材が加わ